2020年12月6日第二アドベント礼拝 あなたのために響く「おめでとう」の声

聖書:ルカによる福音書1:26〜38
説教題:あなたのために響く「おめでとう」の声

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 今では世界中で祝われているクリスマスですが、最初の知らせは誰も知らない世界の片隅で告げられました。クリスマスの到来を初めて告げた言葉は「おめでとう」です。「おめでとう」という祝福から、クリスマスは始まりました。この言葉を聞いたのはナザレという小さな町の少女マリア。まだとても若い女性です。今から2000年も前の話ですから、結婚する年齢がずっと早かった。マリアはどこにでもいるごく普通の女性です。ヨセフとの結婚を控え、その準備をして過ごしていたのだろうと思います。そんなマリアが、人類の中でただひとりという特別な経験をすることになりました。

 マリアは特別な経験をした。しかし、私は、こんなことも考えます。この前の月曜日に保育園のアドベント礼拝でちょうど今日のこの箇所のお話をしました。マリアはヨセフと結婚する約束をしている。そう話したら、一人の男の子が嬉しそうに手を上げ、また別の女の子をみんなが嬉しそうに見ていました。この保育園ではクリスマスにページェントをします。そこでマリアを演じる女の子と、ヨセフを演じる男の子だったのです。マリアとヨセフ、それは私のこと!私たちもあの子どもたちと同じようにマリアに告げられた神さまからの祝福の言葉を私への祝福の言葉として聴くことが許されている。私はそう信じています。

 「おめでとう、恵まれた方。」「あなたは神から恵みを頂いた。」天使はそう告げました。恵みという言葉が繰り返されています。恵みというのは「思いがけず示された好意、誠実さ」という意味です。思いがけず、というところがいい。もらって当然、ではない。思いがけないことです。だからマリアは驚き、戸惑いました。れからマリアの身に起こっていく出来事は思いがけないことです。きっと何度も何度も戸惑ったことでしょう。何も身に覚えがないのに、お腹に赤ちゃんが宿ったというのですから。聖霊の力で宿ったと天使は言います。つまり神さまの力が働いたということです。しかしそう言われても、「はい、そうですか」と簡単に言えるような出来事ではありません。しかし天使はマリアに起こっている出来事が「主があなたとともにおられる」という恵みのしるしだというのです。マリアが神から頂いた恵み、それは神が私と共にいてくださるという揺るぎない事実です。

 イエスがおとめマリアから生まれた。男が介在せずに生まれた。これは聖書の中でもあまり評判がよくない話です。到底信じられない、ファンタジーだと揶揄されます。確かに科学的に証明することは不可能です。これが本当だと断言できるのは、世界の中でマリア立った一人です。マリアは孤独です。婚約者に何と言ったら良いのか。お母さんにだって相談できない。親友にも、誰にも言えない。信じてもらえるはずがない。心の中の一番奥の片隅、誰にも見せることのできない場所でマリアは一人苦しむ。究極の孤独です。そして、そういう場所でマリアは神と出会ったのです。誰も立ち入ることのできない究極の孤独の中、しかし神は共にいてくださるという事実は揺るぎないのです。

 イエスの母として生きたことは、マリアにとってしあわせだったと思います。しかし、イエスの母であるからこその悲しみも知りました。特にイエスが十字架にかけられる姿を見ました。私たちはマリアの悲しみを通して父なる神様の悲しみを知ります。それほど深い悲しみを味わいました。そして、マリアの悲しみの中、神は共にいました。悲しむ者と共にいる神。クリスマスはこの神と出会う時です。


説教の中でご紹介した矢澤美佐子牧師の自己紹介はこちらです。
http://www.kanazawakyokai.sakura.ne.jp/dendousiyazawamisako.html

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